【hitofuki 森繁麗加】言葉にならないものを大切にしたい

【現在】

———現在の活動について教えていただきたいです。

「今は、お茶のある今は喫茶や出張、販売、コラボイベントといった形でお茶の時間を届けています。」

———hitofukiの喫茶について、空間だったり自分のスタンスだったりで、こだわっていることはありますか?

「茶人も十人十色だと思いますが、私の場合はシンプルであること、拘らないということに拘っています。」

「自分という人間や活動名を押し出すのではなく、ただ目の前の相手がお茶と水と器とにあるがままその時間に向き合い、堪能できるよう[灯り・香り,音楽・余白・余韻]などのみに集中できるようにしています。」

「あとはhitofukiのカフェで、極力名前しか聞かないようにしています。ここに辿り着くまでのその方の人生を知り得ないので、苦しいことや辛かったことを思い出させることのないように、相手がお茶を飲みつつ紡ぐ言葉に耳をかたむけています」

「きっと、なにも言葉にしなくても、私について深く知ってもらわなくても、心に響くものや湧き出すものがあるのだと思います。」

———「余白・余韻・灯り・視覚・音楽」について詳しく教えていただきたいです。

「例えば、今は夜の営業しかやっていないのですが、室内の照明は料理とお茶の色がわかる最低限の灯りにしてて、他のお客さんの顔を見えづらくして、自分との対話に集中できるようにしています」

「そして、初めて出会った方には必ずワイングラスで一杯をお届けしています。」

「ワイングラスだと、お茶の影や揺らぎ、泡のダンス,湯気などを楽しむことができます。その瞬間の美しさや儚さに、見る・香る・聴くという行為を意識する間もない暮らしのリズムだったと気づき見直すきっかけにもなるんです。」

「そうやってお茶に意識を向けてもらった後はあえて作家さんの温もりあるお湯呑みを選んでいます。人と自然との触れ合いから生まれるあの曲線や手に収まるあのぬくもりのある質感は、やはり懐かしさで包んでくれる気がします」

「少しづつ茶器の魅力にも気づいてもらえたらと思っての工夫です。」

「あとは人数制限。1組2名までにしています。お茶が脇役になることのないよう、そして自分の時間により浸れるように心がけています」

———余白とは何なのでしょうか?

「感動って、言葉で伝えられると理解に変わってしまう時があるんです。だからお客さんが自分で感じて気づいて、感動してもらうために、お茶の説明をしすぎないようにしたり、意図を見せないようにしたりして、余白を作るように意識しています」

「お茶の良さに今すぐに気づいて欲しいとかは思ってなくて、お客さんの感性やタイミングに委ねています」

【これから】

———これから、やりたいことや目指していることを教えてください。

「私は、今と変わらずずーっとお茶を淹れていたいんです。だから昼も夜もお茶を淹れられる店舗が欲しいと思っています。九州で。」


「今は”お茶を極めたい”と思っても、自分で農家さんを回ったりお茶屋を回ったりしないとお茶のことは知れないし、すごく気力がいると思うんですよ。だから途中で断念する人が多いような気がしています。それってすごくもったいないと思うので、お茶をやりたいと思った人がお茶のことを知れるような場所を作りたい。そのために、自分が今やっているお茶喫茶の規模も少し大きくして、お茶を淹れたい人が働きながら学べるようにし、自分自身もお茶の勉強を続けていきたいと思います」

———貴重なお話をありがとうございました。
森繁麗加さんの活動情報

【hitofuki 喫茶】
金土19:00-23:00 不定休
At Basara house 大分県別府市北浜3-2-2

【出張茶会・コラボイベント】
ご縁のある方と一緒にさせていただいてます。

【hitofuki instagram】
https://www.instagram.com/hitofuki/?hl=ja

【hitofuki 公式ホームページ】
https://hitofuki.jimdofree.com/

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